32blogby StudioMitsu
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Claude Code vs Copilot — 実務3ヶ月で出た結論

Claude CodeとGitHub Copilotを3ヶ月並行して使った。補完の速さvsコードベース全体の把握力、価格、チーム開発での使い分けを実務ベースで比較する。

claude-codegithub-copilotAIコーディング比較ツール選定
目次

Copilotで満足してたのに、同僚がClaude Codeで100ファイルにまたがるリファクタを15分で終わらせた。「これは別物だ」と思って、僕も両方使い始めた。3ヶ月で見えてきた結論を書く。

この記事では、実際の開発現場での使い心地を正直に比較する。Copilotの「速さ」とClaude Codeの「深さ」、それぞれが得意な場面と苦手な場面、価格の話、チーム開発での使い分け方まで、実務ベースで全部まとめる。


Claude Code と Copilot はそもそも何が違う?

CopilotとClaude Codeは、そもそも解こうとしている問題が違う。ここを理解しないと「どっちが優れているか」という不毛な比較になる。

GitHub Copilot の設計思想: 「開発者の手を止めない」がコアコンセプト。エディタのインライン補完に特化し、コードを書いている流れを切らない。AIはあくまでバックグラウンドで動き、タブキー1つで提案を受け入れる体験を最大化している。

Claude Code の設計思想: 「コードベース全体を理解した上でタスクを自律実行する」がコアコンセプト。個別の行補完より、プロジェクト全体のコンテキストを把握してまとまった作業をこなすことを重視する。ターミナルベースで動き、ファイルを横断した変更を自律的に行う。

この設計思想の違いから、得意領域が完全に分かれる。「どっちが優秀か」ではなく「何をやらせるか」で選ぶべきツールだ。


インライン補完の速さはどちらが上?

率直に言う。ファイル内でのリアルタイムコード補完はCopilotの完勝だ。

Copilotはエディタに完全統合されていて、打鍵と同時に提案が出てくる。レイテンシは体感100〜300ms。思考の流れを中断させないスピードで動く。

同じことをClaude Codeでやろうとすると、ターミナルに切り替えてコンテキストを渡して応答を待つ、というステップが必要になる。これは10秒以上かかることもある。インライン補完の体験としては比較にならない。

Copilotが特に強い場面:

  • ボイラープレートの生成(useStateの初期化、型定義のベースなど)
  • 繰り返しパターンのコード(配列操作、条件分岐)
  • APIのレスポンス型を見ながら処理コードを書くとき
  • テストのassertionを連続して書くとき

コードを「書く作業」のスピードアシストとしてはCopilotが圧倒的に上だ。


コードベース全体の理解力はどちらが優れている?

一方、「プロジェクト全体を理解した上での作業」ではClaude Codeが別格だ。

冒頭で触れた「100ファイルにまたがるリファクタ15分」は誇張ではない。Claude Codeはプロジェクト全体をインデックスして、影響範囲を正確に把握した上で変更を加える。人間がやれば1日かかる作業を、依存関係のミスなしに完了させる。

Claude Codeが圧倒的に強い場面:

  • 横断的リファクタ: 「全コンポーネントのclassNamesをcnユーティリティに統一して」
  • 新機能の実装: 「Supabase Authを使った認証フローをゼロから実装して」
  • バグ原因の特定: 「ログを見て、このエラーがどこから来てるか調べて」
  • コードレビュー: 「このPRの変更でセキュリティ上問題ありそうな箇所を指摘して」
  • ドキュメント生成: 「src/api/ のエンドポイントからSwagger仕様を生成して」

Copilotでこれと同じことをやろうとすると、ファイルを一つ一つ開いて手動で変更を確認しながら進める必要がある。作業量が全然違う。


Claude Code と Copilot の価格対効果はどう違う?

価格の比較は単純ではない。使い方によって大きく変わるからだ。

GitHub Copilot:

  • Individual: $10/月(固定)
  • Business: $19/月/ユーザー(固定)
  • 使用量に関係なく一定

Claude Code:

  • API課金(トークン消費ベース)
  • claude-sonnet-4-5 相当の場合: 入力$3/M tokens、出力$15/M tokens
  • Claudeサブスクリプション($20/月)+ API超過分

ライトユーザーにはCopilotが明らかにコスト効率が良い。固定$10で補完が使い放題だ。

Claude Codeのコストは使い方次第で大きく変わる。大規模なリファクタを1回やると、数百〜数千円分のトークンを消費することもある。ただし、その作業を人間がやった場合の工数コストと比べると話は変わる。

実務3ヶ月の月次コスト(個人の場合):

ツール月額コスト節約できた工数
Copilot$10日常的な補完で毎日1〜2時間
Claude Code$40〜$80リファクタ・実装で週10〜15時間

Claude Codeの費用対効果は「大きな作業をどれだけやらせるか」に完全に依存する。コードを「書く」作業の補助だけに使うならCopilotで十分だ。


チーム開発ではどう組み合わせて使う?

3ヶ月試した中で最もうまく機能したのは、両方を組み合わせる使い方だ。

推奨パターン: 「Copilot で書く、Claude Code で整える」

  1. 日常的なコーディング → Copilotの補完で高速に書く
  2. 機能実装の骨格作り → Claude Codeに全体設計から実装させる
  3. コードレビュー → Claude Codeに問題点を指摘させる
  4. リファクタ → Claude Codeに横断変更を任せる

チームへの導入順序としては:

  • 全員に先にCopilotを入れる: 学習コストが低く、すぐ効果が出る
  • Claude CodeはシニアやTLから試す: コンテキスト管理の理解が必要なため

Claude Codeはターミナルツールなので、CLIに不慣れなメンバーには最初のハードルがある。Copilotはエディタ統合なので誰でもすぐ使える。


Claude Code に任せて失敗したのはどんなケース?

Claude Codeが向かない場面も正直に書く。

失敗1: コンテキストが不足した状態での実装依頼

「いい感じにやって」という曖昧な指示を出したら、プロジェクトの規約を完全に無視したコードを大量生成された。CLAUDE.mdを用意していなかった自分のミスだが、Copilotなら短い補完なのでダメージが少ない。

失敗2: 外部APIの最新仕様を必要とするコード

Claude Codeの学習データには時間的な制約がある。「最新のOpenAI APIを使って」と言うと、既に廃止されたインターフェースのコードを書くことがある。最新仕様が必要な場面はドキュメントを参照させるか、自分で補完する必要がある。

失敗3: デザインの微調整

「このボタンをもう少しかっこよくして」のような主観的な指示は機能しない。具体的なCSSの値や参考デザインがないと、Claude Codeは何をすればいいかわからない。Copilotも同じだが、Claude Codeは大量の変更を一気にやるので被害が大きくなりやすい。

失敗4: 長時間セッションでの指示崩壊

コンテキストが溢れたセッションで「さっき決めたルールを守って」と言うと、そのルールがすでに記憶から消えていることがある。セッション管理を怠るとこうなる(対策は別記事参照)。


Copilot に頼って失敗したのはどんなケース?

Copilotの限界も同様に正直に書く。

失敗1: 複数ファイルにまたがる一貫性の維持

Copilotはカレントファイルのコンテキストが主で、プロジェクト全体を把握しての補完は弱い。「A.tsで定義した型をB.tsで使う」程度なら機能するが、複雑な依存関係の中での補完は精度が落ちる。

失敗2: 補完を盲目的に受け入れ続けた結果

Copilotの補完はそれっぽく見えて間違っていることがある。タブを連打して受け入れ続けると、どこかで静かに間違ったコードが混入する。特にエラーハンドリングやエッジケースの扱いでこれが起きやすい。

失敗3: レガシーコードパターンの再生産

学習データに古いパターンが多いと、それを補完として出してくる。古いReactクラスコンポーネントのパターンや、非推奨のAPIを使ったコードが提案されることがあった。

失敗4: 大規模リファクタを補完ベースでやろうとした

100ファイルのリファクタをCopilotの補完だけでやろうとした。ファイルを一つ一つ開いて修正して、結果として2日かかった。これはClaude Codeに任せるべき作業だった。


2026年時点でどう使い分けるのがベストか?

3ヶ月の試行錯誤を経て辿り着いた、実用的な使い分けの指針をまとめる。

やりたいことは何か?
│
├─ コードを書く(インライン)
│   └─ Copilot を使う
│
├─ 何かを「実装する」(新機能/機能追加)
│   ├─ 単一ファイル内の小さい実装 → Copilot
│   └─ 複数ファイルにまたがる実装 → Claude Code
│
├─ リファクタリング
│   ├─ 1〜2ファイル → どちらでも(Copilotが速い)
│   └─ 3ファイル以上 → Claude Code
│
├─ バグ修正
│   ├─ 原因が明確 → Copilot補完で修正
│   └─ 原因不明・横断調査が必要 → Claude Code
│
└─ コードレビュー・調査・ドキュメント生成
    └─ Claude Code

現時点での結論は「CopilotとClaude Codeは競合ではなく補完関係」だ。どちらかに絞る必要はない。Copilotで書くスピードを上げながら、Claude Codeで大きな作業を任せる。両方使えれば、AIコーディングの恩恵を最大化できる。


まとめ

観点CopilotClaude Code
インライン補完圧倒的に速い遅い(ターミナル操作が必要)
プロジェクト全体理解弱い非常に強い
月額コスト固定$10(安定)変動$20〜$80以上(使い方次第)
学習コスト低い(エディタ統合)中程度(コンテキスト管理が必要)
大規模リファクタ苦手得意
チーム導入のしやすさ容易やや難しい

「補完の速さ」はCopilot。「コードベース全体の把握」はClaude Code。この2つの強みを組み合わせることが、2026年時点でのAIコーディングの最適解だ。

どちらか1つしか選べないなら——今の仕事が主に「コードを書く」ならCopilot、「設計・実装・リファクタを自律的に進める」ならClaude Codeをすすめる。