NordVPN Threat Protection ProはAV-Comparativesのテストでフィッシングサイトの92%を誤検知ゼロでブロックし、VPN接続なしで動作し、ダウンロードファイルのマルウェアスキャンも行う——Plusプランに追加コストなしで含まれるセキュリティ機能だ。
VPNは通信を暗号化する。だが、暗号化トンネルの中を通るマルウェアは止められない。NordVPN の Threat Protection Pro は、VPNとは独立して動作するセキュリティレイヤーだ。広告ブロック、トラッカー遮断、マルウェアスキャン、フィッシング保護を1つのツールに統合している。uBlock OriginやPi-holeと並行して使ってみると、それぞれ明確に役割が違うことがわかる。
Threat Protection Proとは
Threat Protection Proは、NordVPNのPlusプラン以上に含まれるセキュリティ機能だ。VPN接続なしでも動作する のが最大の特徴で、NordVPNアプリを起動するだけで保護が有効になる。
DNSレベルのフィルタリングではなく、URLレベルとJavaScriptレベル でブロック判定を行う。これにより、ドメイン単位では検出できない悪意あるURLや埋め込みスクリプトも遮断できる。
主な機能:
- マルウェアスキャン — ダウンロードファイルをリアルタイムでスキャン(実行ファイル20MB以下、クラウドスキャンは4MB以下)
- フィッシング保護 — 悪意あるURLをブラウザレベルでブロック
- 広告ブロック — Webページ上の広告を除去
- トラッカーブロック — サードパーティトラッカーを遮断
- URL Cleaner — トラッキングパラメータを自動除去
- 詐欺・スキャム警告 — 詐欺サイトへのアクセス時にブラウザ内で警告表示
- 脆弱性スキャナー — インストール済みソフトの既知脆弱性を自動チェック(Windows限定)
2025年の新機能
2025年にはさらにセキュリティ機能が追加された:
- 暗号通貨ウォレットチェッカー — リスクのあるウォレットアドレスを検出
- ハイジャックセッション警告 — 認証Cookieがダークウェブに漏洩した場合に警告
- メール保護 — メール内のリンクを脅威スキャン
- アダルトサイトブロック — モバイルデバイス向けのコンテンツフィルタ
対応プラットフォーム
| 機能 | Windows | macOS | Linux | Android | iOS |
|---|---|---|---|---|---|
| Threat Protection Pro | ○ | ○ | × | × | × |
| Threat Protection | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
Threat Protection Proは Windows と macOS のみ に対応している。LinuxやモバイルではDNS版のThreat Protectionが利用可能だ。
Threat Protection Pro vs Threat Protection
NordVPNには2つの脅威保護機能がある。名前が似ているが、技術的なアプローチがまったく違う。
| 項目 | Threat Protection Pro | Threat Protection |
|---|---|---|
| 保護方式 | URL + JavaScriptレベル | DNSレベル |
| マルウェアスキャン | ○ | × |
| フィッシング保護 | ○(URLレベル) | ○(ドメインレベル) |
| 広告ブロック | ○(高精度) | ○(DNS限定) |
| トラッカーブロック | ○ | × |
| VPN接続 | 不要 | 必要 |
| 対応OS | Windows, macOS | 全プラットフォーム |
| 対応プラン | Plus以上 | Basic含む全プラン |
Threat Protection(旧Lite)はDNSフィルタリングで動作する。ドメイン単位でブロックするため、同一ドメイン上の特定URLだけが悪意ある場合には対応できない。広告も完全には除去できず、トラッカーのブロックもできない。
Threat Protection Pro はURLレベルとJavaScriptレベルで検査する。ダウンロードファイルのマルウェアスキャンも行い、VPN接続なしで単独動作する。
第三者テスト結果
AV-Comparatives フィッシングテスト(2026年1月)
セキュリティテスト機関AV-Comparativesが2026年1月7日〜19日に実施したフィッシング保護テストで、Threat Protection Proは 250のフィッシングURLのうち92%をブロック、誤検知はゼロ だった。テスト対象全製品中4位——専用アンチウイルスも含めた順位だ。
NordVPNは2024年6月にAV-Comparativesのフィッシング対策認定を取得した初のVPNプロバイダーでもある。認定基準はフィッシングURLの85%以上をブロックし、正規の銀行サイト等で誤検知を出さないこと。
ただし、100%ではない。Threat Protection Proだけに頼るのではなく、OS標準のセキュリティ機能やブラウザのセーフブラウジングと併用するのが安全だ。
Threat Protection Proを試したいなら、NordVPN Plusプランで追加コストなく利用できる。30日間の返金保証付きだ。
他のセキュリティツールとの比較
Threat Protection Proの機能は、既存の無料ツールと重複する部分がある。どう使い分けるべきかを整理する。
広告ブロック: uBlock Origin
| 項目 | Threat Protection Pro | uBlock Origin |
|---|---|---|
| 対応範囲 | OS全体(アプリ内広告含む) | ブラウザ内のみ |
| フィルタリスト | NordVPN独自 | コミュニティ更新 |
| カスタマイズ | 限定的 | 高度にカスタマイズ可 |
| マルウェアスキャン | ○ | × |
| 料金 | Plusプラン必要 | 無料 |
uBlock Originはブラウザ拡張として最強クラスの広告ブロッカーだ。フィルタリストのカスタマイズ性はThreat Protection Proより遥かに高い。ただし、アプリ内広告やブラウザ外の通信には効かない。広告ブロックの選択肢を広く比較したい場合は広告・トラッカーブロックガイドも参考にしてほしい。
DNSフィルタリング: Pi-hole / NextDNS
| 項目 | Threat Protection Pro | Pi-hole | NextDNS |
|---|---|---|---|
| セットアップ | アプリON | 自前サーバー構築 | クラウド設定 |
| 保護範囲 | 端末単位 | ネットワーク全体 | ネットワーク全体 |
| 保護レベル | URL + JS | DNS | DNS |
| マルウェアスキャン | ○ | × | × |
| 料金 | Plusプラン | 無料(自前HW) | 無料〜$19.90/年 |
Pi-holeやNextDNSはネットワーク全体をDNSレベルで保護する。家庭内の全デバイス(IoT含む)を一括保護できるのが強みだ。ただしDNSレベルのため、HTTPS内の悪意あるURLやダウンロードファイルのスキャンはできない。
アンチウイルス: Malwarebytes Premium
| 項目 | Threat Protection Pro | Malwarebytes Premium |
|---|---|---|
| リアルタイム保護 | ○ | ○ |
| マルウェアスキャン | ダウンロード時 | 常時+オンデマンド |
| ランサムウェア保護 | × | ○ |
| VPN | NordVPN本体 | 別機能(有料) |
| 料金 | NordVPN Plus込み | $3.75/月〜 |
Malwarebytes Premiumは本格的なアンチウイルスで、ランサムウェア保護やオンデマンドスキャンを含む。Threat Protection Proはダウンロード時のスキャンに特化しており、完全なアンチウイルスの代替にはならない。
使い分けの指針
| ユースケース | おすすめ |
|---|---|
| ブラウザの広告を徹底排除 | uBlock Origin |
| 家庭のネットワーク全体を保護 | Pi-hole / NextDNS |
| ダウンロードファイルの自動スキャン | Threat Protection Pro |
| 本格的なマルウェア対策 | Malwarebytes + Windows Defender |
| VPN + 基本的な脅威保護を1つで | NordVPN Plus(TPP込み) |
注意点とデメリット
Linux / モバイル非対応
Threat Protection Proは Windows と macOS のみ だ。Linuxメインの開発者や、Androidで保護を強化したいユーザーにとっては大きな制限になる。Linux/モバイルではDNS版のThreat Protectionしか使えない。
専用アンチウイルスほどの検出力はない
AV-Comparativesの92%という結果は優秀だが、専用アンチウイルス製品の上位は95%以上を記録する。Threat Protection Proは「VPN契約者の追加防御層」であり、これだけでセキュリティを完結させるべきではない。
広告ブロックのカスタマイズ性
uBlock Originのようにフィルタリストを自由に追加・編集することはできない。特定サイトのホワイトリスト設定はあるが、細かいルール設定には対応していない。
Plusプラン以上が必要
Basicプランでは利用できない。2年契約の場合、BasicとPlusの差額は月$0.50($3.39 vs $3.89)だ。この差額でNordPassパスワードマネージャーも付いてくるので、コストパフォーマンスは悪くない。
広告・トラッカー・マルウェアをブロックする次世代セキュリティ
- 悪意あるサイト・広告・トラッカーをブロック
- ダウンロードファイルのマルウェアスキャン
- VPN未接続でも単独で動作
よくある質問
Threat Protection Proは使う価値がある?
NordVPN Plusプランを使っているなら、間違いなくある。URLレベルのフィッシング保護(AV-Comparativesで92%ブロック率)、ダウンロードファイルのリアルタイムスキャン、広告ブロック、トラッカーブロック——これらがPlusプランの範囲内で追加コストなしだ。BasicからPlusへの$0.50/月のアップグレードはNordPassも付いてくるので十分価値がある。
Threat Protection ProはVPN接続なしで使える?
使える。VPN接続が必須の標準Threat Protectionとは異なり、Threat Protection ProはVPNとは独立して動作する。NordVPNアプリを開くだけで保護が有効になる。
Threat Protection Proでアンチウイルスを置き換えられる?
置き換えられない。フィッシングサイトの92%をブロックし、ダウンロードファイルのマルウェアスキャンも行うが、ランサムウェア保護、オンデマンドのフルスキャン、リアルタイムの挙動解析は含まれない。Windows DefenderやMalwarebytesと組み合わせて使うのが正しいアプローチだ。
Threat Protection ProはLinuxやAndroidで使える?
使えない。Threat Protection ProはWindowsとmacOSのみ対応だ。Linux・Android・iOSではDNSレベルの標準Threat Protectionが利用可能で、VPN接続が必要になる。Linuxの場合はThreat ProtectionとuBlock Originの併用がおすすめ。
Threat Protection ProとuBlock Originの違いは?
役割が違う。uBlock Originはブラウザ内の広告ブロックに特化し、フィルタリストのカスタマイズ性が高い。Threat Protection ProはOS全体をカバーし、マルウェアスキャンやフィッシング検出も行うが、広告ブロックのカスタマイズ性は限定的だ。両方併用するのがベスト。
AV-Comparativesのテスト結果の詳細は?
2026年1月、AV-Comparativesが250のフィッシングURLでThreat Protection Proをテストした。92%をブロック、誤検知ゼロで、専用アンチウイルス含む全製品中4位。NordVPNはAV-Comparativesのフィッシング対策認定を取得した初のVPNプロバイダーでもある。
標準のThreat Protectionは無意味?
無意味ではない。DNSベースのThreat Protectionは既知の悪意あるドメインをブロックし、基本的な広告ブロックも行う。全プラットフォーム対応で全プランに含まれる。URLレベルではなくドメインレベルで動作するため、正規ドメイン上の脅威検出やファイルスキャンはできないが、ないよりは確実に安全だ。
まとめ
Threat Protection Proは、VPN付属のセキュリティ機能としては業界トップクラスの実力を持つ。
強み:
- VPN未接続でも動作するURLレベルの保護
- AV-Comparativesで92%のフィッシングブロック率、誤検知ゼロ
- ダウンロードファイルのリアルタイムスキャン
- Plusプランなら追加コストなし(NordPassも付属)
注意点:
- Windows / macOS のみ(Linux・モバイル非対応)
- 専用アンチウイルスの代替にはならない
- 広告ブロックのカスタマイズ性は限定的
NordVPNを既に使っている、または検討しているなら、月$0.50の差額でPlusプランにアップグレードする価値がある。ただし、Threat Protection Proだけで全てのセキュリティを賄えるとは考えないこと。uBlock Origin、Pi-hole、OS標準のセキュリティ機能と組み合わせて多層防御を構築するのが正しいアプローチだ。
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