32blogby StudioMitsu
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Vercel Proで高額請求?Spend Managementの設定を今すぐ確認しろ

Vercel Proの従量課金で予想外の請求が来る原因と、Spend Managementの正しい設定方法。Hobbyプランとの違い、DDoS対策、実際の高額請求事例も紹介。

VercelSpend Management料金DDoS対策Next.js
目次

Vercel Proに課金した初月、請求画面を見て「え、$20じゃないの?」と思った。原因はSpend Managementの仕組みを理解していなかったことだった。

この記事では、Vercel Proの従量課金がどう動くか、デフォルト設定の何が危ないか、そして請求を確実にコントロールする方法を解説する。Hobbyプラン(無料)のユーザーも、Proに上げる前に知っておくべき内容だ。


Vercel Proの料金は「$20固定」ではない

Vercel Proは月額$20だが、これはプラットフォーム利用料であって上限ではない。$20に含まれるのはこれだけだ。

リソース含まれる量超過単価
Fast Data Transfer(帯域)1 TB/月$0.15/GB
Edge Requests1,000万/月$2/100万リクエスト
Function Invocations100万/月$0.60/100万
Monthly Credit$20

$20の月額クレジットは、含まれる量を超えた分の支払いに充てられる。クレジットを使い切ると、その先は従量課金(on-demand) に切り替わる。

ここが落とし穴だ。1TBを超えた帯域は1GBあたり$0.15で課金される。100GBの超過で$15、500GBなら$75。バズったり、ボットにクロールされたりすると、あっという間に膨らむ。


Spend Managementのデフォルト設定は本当に安全か?

2025年9月以降、新規ProチームにはSpend Managementがデフォルトで有効になっている。一見安心だが、デフォルト設定の中身を正確に理解しておく必要がある。

デフォルトの状態:

  • Spend Management: ON
  • 通知の上限額: $200(on-demand使用分)
  • 50%・75%・100%到達時にメール通知

問題は「通知が来るだけ」で止まるかどうかだ。

つまり、デフォルトのまま何もしなければ:

  1. $100を超えたあたりで通知メールが来る
  2. $200に達しても通知が来るだけ
  3. サイトは止まらない
  4. 課金は続く
  5. 月末に予想外の請求が届く

実際にいくら請求された事例があるのか?

「まさか自分に」と思うかもしれないが、実際に起きている。

Cara(アーティストプラットフォーム): $98,280

2024年6月、MetaのAIポリシー変更に反発したアーティストがInstagramからCaraに大量移住。1週間でユーザーが4万→65万人に急増し、Vercel Functionsの請求が約$98,000に達した。

Metaクローラーによる請求スパイク

Middlewareを使っているサイトで、Metaのクローラーが1,100万リクエストを発生。Middlewareは全リクエストで実行されるため、Function Invocationsが爆発的に増加した。

9,000PVで$250/月

月間9,000PVしかないサイトが年間$3,000の請求。原因はボットトラフィックとMiddlewareの組み合わせだった。

共通する原因は3つ:

  • ボット・AIクローラーの大量アクセス
  • Middlewareが全リクエストで実行される設計
  • Spend ManagementのPauseが未設定

請求を確実にコントロールする設定手順

Spend Managementを正しく設定する

  1. Vercelダッシュボード → SettingsBilling
  2. Spend Management セクションを見つける
  3. 上限額を設定する(自分が許容できる金額)
  4. 「Pause production deployment」を必ずONにする
  5. チーム名を入力して確認

Pause をONにすると、上限額に達した時点で全プロジェクトの本番デプロイが自動停止する。訪問者には503エラーが表示されるが、追加の課金は発生しない。

復旧の注意点: 停止後の再開はプロジェクトごとに手動で行う必要がある。自動では復旧しない。

DDoS対策: Attack Challenge Mode

Vercelは全プラン(Hobbyを含む)でDDoS軽減機能を無料提供している。

  • 自動DDoS軽減: L3/L4/L7レベルの攻撃を常時自動で検知・軽減(全プラン、設定不要)
  • Attack Challenge Mode: 手動でONにすると、全訪問者にチャレンジ画面を表示してボットを遮断

攻撃を受けていると感じたら:

  1. Vercelダッシュボード → SettingsSecurity
  2. Attack Challenge Mode をON
  3. 攻撃が収まったらOFFに戻す

HobbyプランとProプランの違い

Hobby(無料)Pro($20/月)
帯域100 GB/月1 TB/月
超過時サイト停止(課金なし)$0.15/GBで従量課金
商用利用不可(個人・非商用のみ)
DDoS対策自動軽減 + Challenge Mode同じ
Spend Managementなし(不要)あり(要設定)

Hobbyプランのユーザーは高額請求の心配は一切ない。100GBの上限に達したらサイトが停止するだけで、課金は発生しない。ただし商用利用は規約違反になる。

「Hobbyで十分なのにProにしてしまった」ケースが意外と多い。個人ブログや趣味プロジェクトなら、月100GBを超えることはまずない。


自分のサイトが月何GBを使うか計算する方法

Proが必要かどうかを判断するには、自分のサイトの帯域消費を概算する。

月間帯域 ≒ 月間PV × 1ページあたりの平均サイズ

目安(Next.jsの静的サイト):
  1ページ ≒ 500KB〜2MB(画像含む)
  月間1万PV × 1MB = 約10GB
  月間10万PV × 1MB = 約100GB(Hobby上限)
  月間50万PV × 1MB = 約500GB(Pro範囲内)
  月間100万PV × 1MB = 約1TB(Pro上限ギリギリ)

月間10万PV以下ならHobbyで十分。100万PVを超えるなら、Proでも超過が発生する可能性がある。


Vercelの料金が高いと感じたら

Spend Managementを正しく設定しても「$20/月にしては機能が少ない」「スケールすると割高」と感じるかもしれない。その場合はVPSへのセルフホストが選択肢になる。

月額¥500〜1,500程度で、Vercel Proと同等以上のスペックが手に入る。帯域制限もない。ただしインフラ管理は自分でやる必要がある。Vercelの「git pushだけでデプロイ」という体験には代えがたいものがあるから、何を優先するかで判断が変わる。

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まとめ

やること理由
Spend ManagementのPauseをONにするデフォルトでは通知のみ。課金は止まらない
上限額を自分の許容範囲に設定するデフォルト$200は多すぎるかもしれない
Attack Challenge Modeを知っておくDDoS時にすぐONにできるように
Hobbyで足りるか計算する月10万PV以下ならProは不要
Middlewareの使い方を見直す全リクエストで実行=全リクエスト課金対象

Vercel自体は優れたプラットフォームだ。ただし料金体系の理解なしに使うと、予想外の請求が来る。この記事の設定を5分でやっておけば、安心して開発に集中できる。